トップイメージ
写真

サイクリスト:森田正美(もりたまさみ)

元日本を代表するロード選手。サイクリングの楽しさを伝えるサイクリングナビゲーターとしてさまざまなイベントなどに出演。「サイクリングジャパン」で毎号ツーリング特集を担当。「ヒルクライムチャレンジシリーズ」では競技アドバイザーを努める。

バックナンバー

2011年9月24日-25日に行われるヒルクライムチャレンジシリーズ第2戦「喜多方大会」のコースを走ってきました。東日本大震災の影響で今年の大会は計測コースが5.6kmに短縮されたプレ大会になりましたが(本大会は2011年6月開催予定です)、標高差370m、平均斜度5.5%、と走りごたえも充分。「がんばろう福島」を合言葉に、みなさん喜多方大会を盛り上げましょう!

パレードランは10.1km、喜多方の豊かな田園地帯を走ります

写真

画像へ さまざまな農業体験ができる「雄国農園」のテラスから見た会津盆地の一大パノラマ。日がな一日、この絶景を前にして時を過ごしてみたいなあ!
「雄国農園 百日紅館」tel0241-24-3101 URL:http://www.uyou.gr.jp/oguninouen/

 東北自動車道を郡山JCTで磐越道に入り、会津若松ICで降りて、喜多方へやってきました。会津若松ICから喜多方へと向かう道、国道121号線を走ります。訪れた日は8月4日、夏まっただ中。青い空に白い雲が浮かび、緑の絨毯を敷き詰めたような会津盆地の田園風景が広がっています。飯豊山系の極上の伏流水に育まれた「会津産コシヒカリ」が風に吹かれて波のようにそよいでいます。プレ大会が開催されるころには、稲穂が色づき始めて、さらに格別な景色になっていると思います。ここで特別に途中立ち寄った「雄国農園 百日紅館」からの会津盆地をお見せしますね。

 喜多方は会津盆地の北部に位置し、飯豊山、磐梯山などに囲まれた自然豊かな町です。なんといっても喜多方の名を全国的に有名にしたのは「喜多方ラーメン」と「蔵の町」ですね。蔵の数は喜多方全体で4200もあるといいますし、ラーメンに関しては旧市街地人口約37,000人に対して120軒ほどのラーメン店があります。もうびっくりです!

 さて、町の紹介は後ほどにして、プレ大会のヒルクライムコースを案内しましょう。

 ヒルクライムのコースは喜多方の市街から10.1kmほど離れた熱塩温泉を計測スタート地点として三ノ倉スキー場までの5.6kmです。熱塩温泉までのパレードランは喜多方サイクリングロード(正式には福島県道392号会津若松・熱塩温泉自転車道線)を走ります。喜多方サイクリングロードは会津若松市から阿賀野川や大川、濁川、押切川沿いに、喜多方市まで続く約51kmの自転車道。いまはまだ全線開通していないそうですが、喜多方市内はとてもきれいに整備された自転車道になっています。

 レースの集合場所は押切川公園体育館の駐車場です。そしてここから10.1kmのパレードランが始まります。押切川公園体育館から一般道を少し走り、いよいよ喜多方サイクリングロードに入ります。熱塩温泉方面へ、左側には押切川が流れ、白いセンターラインがずっと伸びています。

 道幅は自転車を3台横に並べたほど、ふだんは左側通行で1台ずつの対面通行になっています。長いストレートにほどよくカーブが組み合わされ、とても走りやすい。夏の強い日差しを受けて立ち上る熱気、稲が休むことなく成長し、穂を太らそうと発散するエネルギーの匂いとでもいうのかしら、田舎で過ごした夏休みのような懐かしい香りがします。なんだかとても元気に、楽しくなってしまいました。

写真 写真

画像へ 押切川公園体育館の駐車場からパレードが始まります。ここではレース前日・当日にさまざまなイベントが開催されます。喜多方の地元食材を活かしたカレーの決定戦「チャレンジ!まいたうんカレー」や私のヒルクライム前日講座などが行われます。

画像へ 押切川公園体育館駐車場を出ると、そこは田圃の広がる光景が続きます。自然の恵みをたっぷりと受け取った喜多方の豊かさの姿です。

写真 写真

画像へ 会津若松・熱塩温泉自転車道のプレートを前に、ここから喜多方サイクリング道路を走ります。真っ青な空、白い雲がぷかり、夏真っ盛り、さあ行くぞ!

画像へ ふだんは対面交通の自転車道。気持ちの良いストレート、コース途中には休憩所の東屋や車の進入を防ぐ車止めも設置されています。

今回は走ることができませんでしたが、押切川公園体育館を挟んで反対側にはもうひとつの自転車道があります。「日中線記念自転車歩行者道」がそれです。昭和59年に廃止された日中線の線路跡をサイクリングロードにしたもので、3kmにもおよぶしだれ桜が続くという喜多方の名所のひとつです。満開の時期に桜並木を自転車で走るのはどんな気分でしょうか……、いつか実現したいなと思います。

 今回、私が乗った自転車はコーダーブルーム(Kohdaa Bloom)のFARNA、女性向けスペシャルエディションです。400サイズ、26インチの小さめボディだったので、直進性に欠けるかなと思いましたが、意に反してとてもしっかり。フレームの三角が小さいのでダンシングの振りも楽でした。また、ハンドルバーにアシストブレーキが装着されていて、“ドロップハンドルに自信がないなあ”という人にはとてもいいアイデアだと思いました。小柄な女性や自転車の初心者でロードバイクに挑戦したい人にはいいバイクです。こういうバイク、市販されるといいなあ。

 熱塩温泉に向かってサイクリングロードはゆるく、地味に上っています。でも私が試走した当日は追い風でスイスイ、気持ちよくペースも上がり姿勢は次第にTT(タイムトライアル)ポジションになっていました。

 サイクリングロードはとても快適です。スピードもどんどん乗ってきます。少し汗をかいてきました。ほどなく自転車道は国道121号にぶつかります。国道に出たところに「道の駅ふれあいパーク喜多の郷」があります。「蔵の湯」という温泉休憩施設があり、コースを走ったあと訪れて、サッパリしてから市内観光をするのもよいですね。私は、帰京するときに寄ってみましたが、広いお風呂(露天付き)、食事施設もあり、とてもリフレッシュしましたよ。

 国道121号から県道333号に入りほんの少し一般道を走ります。交通量はあまり多くはありませんが、その分クルマのスピードは高めのような気がします。道路の左側端を一列に、交通ルールを守って走りましょう。また、再度自転車道に入るには道を右折します。右腕を水平にだして右折の合図、前後を確認して曲がりましょう。

 直線と小さなカーブをいくつかクリアすると、パレードの終点、熱塩温泉バスロータリーに到着します。10.1km、時間にしておよそ20分。ほどよく汗をかき、ヒルクライムに向けてカラダを慣らすことのできる快適なサイクリングだと思います。

 ここでレース前の準備について少しお話しをします。まずは体調管理です。風邪を引いていたり、どこか関節に痛みを感じていたりすると、やはり思うような走りはできませんし、危険なことになる可能性もあります。過度の練習は疲れが抜けなくなりますから、レース前数日は軽めの調整にして、エネルギー源になる炭水化物中心の食事を心がけるといいですね。前日開催地に入りますが、充分な睡眠をとり、深酒は控えるようにしましょう。朝食はレース3時間前というのが定説です。もし2~3時間前に食事を摂ることができるのなら、パン、ご飯、うどん、パスタなどを軽めに、レース開始の都合で食事が1時間前になってしまうのでしたらエネルギーゼリーなどを摂るのがいいといわれています。

 レース前のウォーミングアップはとても重要です。今回のプレ大会は10.1kmのパレードがあるので、これがいいウォーミングアップになります。スタートして10分は軽くペダルを回し、そのあとの10分でちょっと強めのペダリング(心拍数を上げる感じ)で走り、最後の5分は楽なペースに戻し、呼吸が整うように走るのがいいと思います。もしできたらスタート前に坂を上り、どんなギアを使うのか慣らし走行をするといいですね。軽く汗をかくように、カラダを暖機運転させるつもりで走りましょう。